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学生エッセイ
文化摩擦の体験
By Dr. Rieko Tsubata, MD (医学博士)
すべての人がそれぞれ固有の民族的アイデンティティーと文化的プライドをもっています。これはまさに自然で、ある人種の繁栄を保つために多少は必要なことです。それぞれの民族はたいていお互いに異なる独自の文化、宗教、考え方をもっています。ある民族は自分のアイデンティティーを厳しく守り、ある民族は他民族の生活の仕方を受け入れるのにもっと柔軟です。私はかつて文化摩擦という残念な体験をしています。世界にある多くの文化間の平和、調和、尊敬を促進することを願ってお話したいと思います。
数年前、日本で医学部へ入学する前、私はドイツに住んでいました。ケルン大学で、世界のいたるところからの多くの留学生とともにドイツ語のコースをとっていたのです。何人かの生徒は、フランス、スペイン、東ヨーロッパの国々などドイツ以外のヨーロッパの国から、何人かは中国や日本といった遠い国から来ていました。そして何人かは中東出身でした。生徒の多くはそれぞれドイツの大学へ入学するために準備をしていました。
クラス自体はとても良いクラスでした。先生は優れた授業をするのにとても熱心でみんなに対し親切でした。その上、学生はすべて勉強するのに熱心で授業を楽しんでいました。クラスの雰囲気は本当に良いものでした。
12月、私達は先生とクラスメートみんなでクリスマスパーティーをするはずでした。多くはそのパーティーを楽しみにしていて12月半ばから準備を始めていました。しかし、開催のほんの数日前にパーティーは急に中止されました。中東からの留学生数人がクリスマスパーティーに反対したからです。その理由は彼らがキリスト教徒ではないことでした。他の人たちは皆そのキャンセルにとてもがっかりしました。
アジアからの留学生の多く、いやほぼ全員がキリスト教徒ではありませんでしたが、彼らにとってクリスマスパーティーというアイデアはただの楽しいことで、まったく宗教的な意味やニュアンスはありませんでした。しかし中東からの留学生の多くにとっては深刻で、そんなパーティーに他のヨーロッパ人やアジア人と一緒に参加することはできないと考えました。彼らはドイツに住んでドイツの大学で勉強したいと思っていたにも関わらず、です。
一方で、私達日本人はとても柔軟で、他の文化を受け入れたり自分達の文化とミックスするのはたやすいという考えがあります。そんな姿勢が必ずしも他より良いとは思っていませんが、それは必ず人々の間の平和な暮らしにつながると私は信じています。それと同時に、民族のアイデンティティー、文化的な伝統、生活の仕方を保存していくことは重要なことだとも思っています。また、文化的アイデンティティーを保つためにこれらの伝統をより若い世代に伝えていくことも大事なことです。
これらすべてを考えても、一般的にある人がその文化や伝統にあまりにもこだわりすぎると、他の文化圏の人々との関係を悪化させる傾向があります。それゆえに、とくに外国を訪れたり海外に住んでいるときに一番大事なことは、世界中のすべての民族がお互いに理解し、お互いを尊敬し、お互いの違いを受け入れるよう努め、異なる多くの素晴らしい文化的体験を楽しむことだと私は考えています。きっとみなさんも見習うのに良いであろう古いことわざを知っていると思います。「ローマにいるときはローマ人がするようにしなさい(郷に入りては郷に従え)」。
翻訳者: 風間靖之
編集者: 東海林
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